礼拝の話

2023/11/30 

11月20日(月) 聖書 ヤコブの手紙 1章2~4節 校長 小西二巳夫

先週の木曜日に2023清和RUNがありました。

走りやすい天気だったこと、困ったことが起こらなかったこと、恵まれた一日となりました。

私は元々長距離を走るのが嫌いでした。

走ることで起こる息苦しさ、これが苦手でしたが、いつの頃からか、息苦しさ以上の楽しさを感じるようになりました。

その私が好きな小説に『幕末まらそん侍』があります。

時代はアメリカのペリーが4隻の黒船で浦賀沖にやって来た1853年のことです。

ペリーは長い間鎖国を続けてきた日本に開国を迫りました。

この要求を受け入れるか、拒否するかで日本中が大騒ぎになりました

それは群馬にある安中藩という小さな藩も同じでした。

殿様の板倉勝明は、何もしないでいたら自分の藩もどうなるかわからない、と今すぐできることは何かを考えました。

そこで思いついたのが、家来に「遠足(とおあし)」をさせることでした。

「とおあし」は今でいうマラソンです。

殿様はお城から山の中腹にある神社まで30kmを走らせることにしたのです。

しかも平らな道ではなく、途中から急な登り道が続くというコースです。

それでもって家来の体と精神を鍛えようというのです。

今の言葉にするとトレイルランニングです。

殿様の命令ですから、体の調子が悪いとか用事があるなどの言い訳は通用しません。

『幕末まらそん侍』は、マラソンを走る家来のそれぞれのエピソードが書かれています。

ぜひ読んでみてください。

エピソードの1つに、何事にも真面目に取り組む黒木と、要領よく、できるだけ楽をしようとする片桐の話があります。

2人は「とおあし」の最中にお互いを知るようになりました。

片桐は黒木とのやり取りを通して、最初から正々堂々とやればよかったと思うようになります。

そしてもう一つ、走ることは、こんなにも自分の気持ちを健やかにするのだ、と。

片桐は黒木と出会い、黒木を知ることによって、本来の自分に出会います。

素直さを取り戻しました。

すこやか、という言葉を漢字にすると健康の健です。

走ることは健康になりますが、それは体・肉体が健やかになるだけではないのです。

何より、心の中が健やかになるのです。

清和RUNの目的は、むしろ体ではなく心が健やかになることにあります。

1日24時間です。

その1日をうっとおしい気持ちで過ごすのか、それとも健やかに過ごすのかです。

それは自分にとって、そして周りの人間にとってまったく違います。

清和ランという少し長い距離を走るのも健やかさを知った人になってもらうためです。

グズグズした気持ち、ごちゃごちゃしたことも、汗を流すと一緒に流れていきます。

まあ、いいかと、思えるようになるからです。

さらに清和には毎日心が健やかにできる時間があります。

それは礼拝です。

礼拝の中で、私たちは様々なことに出会います。

生きる力になる、元気になる言葉、気づきに出会うことがあります。

自分を素直にするチャンスが礼拝にはあります。

礼拝から始まる清和の1日、1週間に心から感謝したいものです。

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