清和女子中高等学校。創立113年の高知県の私立女子校。キリスト教主義の中高一貫校です。
2023/12/04
先日、インターネットで、クリスマスプレゼントを探していたとき「LOVOT」(ラボット)というものが目に留まりました。
それは可愛いぬいぐるみのようなロボットでした。何より注目したのは、広告のキャッチコピーでした。そこには、このように書いてありました。
「LOVE×ROBOT=LOVOT 家に愛と笑顔があふれるロボット」
「それは、声をかけると振り向き、しっかりと見つめてくる意思を感じる瞳。50か所以上のセンサーや複数のパソコンなど最高峰のテクノロジーが詰め込まれ、0.2秒以内の反応速度を実現し、驚くほど自然にスキンシップをとることができる」。
そして、広告の言葉は、こう続くのです。
「LOVOTと触れるたび、優しい気持ちと未来への希望がふくらんでいく、新しい自分を楽しんで。」
「コミュニケーションの本質とは?生命とは、いったい?わくわくが止まらない日常が、たちまち家中に広がります。」
「22世紀の家族学、はじまる。」
「ともに過ごす時間が多様な未来を生きる力をぐっと育てる。」
私は、この愛くるしいロボットと同時に、この巧みな言葉選びに舌を巻きました。
スマホの普及からもわかるように、時代の流れとともに、コミュニケーションの形はかわってきています。LOVOTは、時代のニーズに沿った存在なのかもしれません。
核家族化、ひとり暮らしの高齢のお年寄りが増加するなかで、孤独感のつのる人、いやされたい人がいるのもまた、現実なのだろうか。いろいろと考えてしまいました。
私のクリスマスのプレゼントは、まだ決まっていませんが、一つだけ決めたこと、それは、心のこもった言葉をカードに記して送ろう、ということです。
それから、仕事を理由にしてあまり会えなくなっていた、お世話になった方々へ、なるべく直接会いに行って、とびきりの笑顔を見せて、とびきりの笑顔をもらって帰ろう、ということでした。
LOVOTが、今後どれほどの広がりを見せるのか、または、それに代わるコミュニケーションツールが生まれるのか、わかりません。
私は目新しいLOVOTと生活する刺激もいいけれど、やっぱり、新しい人との出会いによる刺激がほしい、自分の言うことをただただ受け入れてくれる存在より、互いの意思を伝え、違いを尊重できる存在を望みます。
時代の進化によって、変わるものもあれば、いつになっても変わらないものもある、ということも忘れず、しなやかに時代の流れに対応できるようになりたいと思います。
清和に来て知ったのは、祈るということは、対話であるということです。対話は、一方的なコミュニケーションではなく、聴くことから始まります。
祈ることが対話を可能にしてくれるなら、聴いてもらうとともに、自分が何を返すか、が大切なのではないかと感じました。