礼拝の話

2023/12/04 

11月27日(月) 聖書 ルカによる福音書 2章15~20節 校長 小西二巳夫

10月にラグビーのワールドカップがありました。

ジャパンは残念ながら決勝トーナメントに進むことができませんでしたが、あるお店でラグビーについて話をして盛り上がっている年配の方々がいました。

わたしは子どもの頃からラグビーが好きなので、嬉しくなりました。

ラグビーの得点はトライをとると5点、ゴールキックを入れると2点、ペナルティーキックを入れると3点のスポーツで、1点でも多く点数を取れば勝ちます。

だからふつうは攻撃、オフェンスに目がいきがちですが、私が好きなのはディフェンス、守りです。

ディフェンス、守りというと何となく消極的な感じがします。

相手が攻めてくるのを待っている、前に出ない、後ろに下がるというイメージをします。

でも、ディフェンスというのは待つことではなくて、前に出て行くことなのです。

積極性がないと守りに強くなれません。

攻めてくる相手に対して、一歩先に出て、相手の出足を前で止めるのが最高のディフェンスです。

キリスト教のカレンダーで12月25日はクリスマス、前日の24日はクリスマスイブです。

そして毎年少しずつ日にちが変わるのがクリスマス礼拝です。

これはクリスマスに一番近い日曜日と決められています。

クリスマス礼拝までの4週間をアドベントと呼んでいます。

アドベントはクリスマス、イエスキリストの誕生を迎えるための準備期間です。

アドベントは日本語に訳すと「待つ」です。

ただし、この待つも、ラグビーのディフェンスと同じように、ただ、じっと待つことではないのです。

人々は昔から、ただじっと待つような毎日を送っていては、すばらしいクリスマスにできないと考えてきました。

それはアドベントの語源に関係しています。

アドベントはアドベンチャーと語源が同じです。

アドベンチャーは冒険、冒険者という意味です。

冒険は出かけていくことから始まります。

つまりアドベントとアドベンチャーは正反対のようであって、実は同じなのです。

アドベントとアドベンチャーという言葉からわかるのは、イエス・キリストの誕生、つまり私たちを救ってくれるような出来事や嬉しい出来事が起きるためには、自分の大きな望みをかなえるためには、ただじっと何もしないで待っていてはだめだということです。

今日の聖書に登場する羊飼いたちも、寒い夜に羊の晩をしながらじっとしていました。

その時、彼らは星を見つけ、その星に従って出かけて行ったのです。

星を見たというちょっとしたことに心を動かし、体を動かして、出かけて行ったのです。

そして、出かけて行ったその先で、自分たちの人生を変えるような出来事に出会いました。

イエス・キリストの誕生の場面に立ち会ったという出来事が、彼らのそれからの大きな生きる力になりました。

心を動かす、体を動かすというのは、関心を持つということです。

アドベントは世の中の出来事に関心を持つときでもあるのです。

そんなことは自分に関係ないと思いこんでいることに関心を持つことです。

特に、子どもが生まれる話のクリスマスの時ですから、子どものことに関心を持ちたいと思います。

イスラエル・ガザ戦争で命を失う子ども、さまざまな苦しみを負わなければならない子どもたちがどんどん増えています。

子どものいのちを無差別に奪うことは、私たちの、そして世界全体の未来を奪うことなのです。

滅びることなのです。

未来を奪う力や国や集団に憤りを持ちたいと思います。

ゆるさないとの空気をしっかり作っていくことが、今に生きる私たちに求められています。

今年のアドベントは一人ひとりがそのことに気づき、積極的に考え関わることが求められています。

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