礼拝の話

2022/12/22 

12月14日(水) 聖書 コリントの信徒への手紙Ⅱ 4章18節 国語科 髙橋

12月も半ばを迎え、チャペルクリスマスの練習もいよいよ大詰めです。

クリスマスといえば、子どももおとなも、わくわくしてしまうのが、プレゼントです。

先日、ある会社の進路情報メディアが高校生に聞いた「今年のクリスマスに欲しいものランキング」、1位は昨年に引き続き「お金(現金)」だったそうです。

先日、「クリスマスを授業する」として、「現代の国語」で、高校一年生と一緒に、一編のエッセイを読みました。

エッセイの中で、浜田廣介の童話が紹介されていました。

浜田廣介は明治生まれの作家で「児童文学界の三種の神器」とか「日本のアンデルセン」ともいわれている作家で、その作品は『ひろすけ童話』と呼ばれて今も愛されています。

エッセイの中に出てきたのは、「いちばんいいおくりもの」という童話でした。

大変気になる話でしたが、残念ながら、紹介されていたのは童話の一部分のみでした。

童話全部をどうしても読みたくなって、いろいろなところに問い合わせてみましたが、本の存在は不明でした。

少し経って、ふと、我が家の書庫をのぞいたとき、ひろすけ童話が棚にあることに気づきました。

それは私が5歳くらいのとき、読んだもの、存在すら忘れ去っていた一冊です。

手に取り、ページをめくると、まさに、そこに探し求めていた「いちばんいいおくりもの」があったのです。

高校1年生との授業を通して、偶然再会した童話、今の今まで、記憶になかった物語が、幼いころの思い出とともに一気によみがえってきました。

物語の舞台は、クリスマス・イブといわれるにぎやかなたのしい晩。

東京の町へサンタクロースがやってくるところから始まります。

内容は、ぜひ読んでいただきたいですが、貧しい親子のやり取りが展開されます。

そして、最後、その2人が眠ったとき、サンタクロースおじいさんは、から何やらそっと取り出してまくらもとに置きます。

なんであるのか、暗くてわかりません。

「それは、袋の中でいちばんに、いいおくりもの、ねうちの高いものであるかと思われました。」とだけ、綴られています。

眠る二人のまくらもとに残されたおくりものは、何だったのでしょうか。

高校1年生と一緒に考えてみたとき、驚くべきは「愛情」など、形のないものを想像した生徒が多かったことでした。

そして、みんなが思う「いちばんいいおくりもの」とは何か考えてもらったときも、高校1年生が考える「いちばんいいおくりもの」とは「友達」「家族」「時間」「やさしさ」「思いやり」などでした。

私は、今回3つの贈り物を受け取りました。

まず、数十年ぶりに「ひろすけ童話」に再会したこと。

次に「見えないもの、形のないもの」も大切にする、高校1年生の価値観。

最後に、この清和に導かれて皆さんと過ごす4月からの毎日が、私にいただいた「贈り物」であり、光であると、あらためて感じています。

今日の聖書の言葉を、もう一度振り返ります。

「わたしたちは見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは過ぎ去りますが、見えないものは永遠に存続するからです。」

値段のつけられないもの、形にできないもの、瞬時にして消え去るもの、に目を向けられる人でありたいと思います。

学校生活の様子

学校生活|中学校一覧へ

学校生活|高校一覧へ

学校生活一覧へ

礼拝の話一覧へ

中学・高校 学年の通信から一覧へ

クラブ活動一覧へ

▲ページトップへ