礼拝の話

2023/04/27 

4月27日(木) 聖書 ローマの信徒への手紙 8章28節 日本キリスト改革派 山田教会 高内信嗣牧師

今朝は広島県忠海にある「聖恵会」についてお話しいたします。

「聖恵会」の前身である「聖恵授産所」は日本キリスト改革派教会の井原牧師から始まりました。

井原牧師は15歳の時に筋ジストロフィーを発症し、そのとき、牧師である父が先ほどの聖書の言葉を読み上げ、人生に偶然は1つもないこと、そして大きな神のご計画の中ですべてを益としてくださるということを涙ながらに説き明かしたそうです。

しかし、10代半ばの彼によって、それはどうしても納得できなかったそうです。

それでも苦悩の末に「僕が障がい者として生まれたことにも、神の心があるに違いない」と自分自身の病いと障がいを信仰によって受け入れ、やがて神戸改革派神学校の一期生として入学し、卒業後、日本キリスト改革派忠海教会に遣わされました。

そして1960年1月20日、3名の障がいを抱える方と井原牧師ご夫妻の5名で聖恵授産所をはじめました。

未認可施設として聖恵授産所は始まり、5年ほど経った時に市の福祉担当者が訪問に来て、「もぐりの医者のようなことはやめてほしい」、また県からも呼び出され「中途半端なことはやめてほしい」と言われ、調査のために県の役人が施設に来たといいます。

井原牧師は「もうここまでか」と思ったそうですが、来所した担当者は聖恵授産所が行っているカリキュラムに驚き、評価してくださったそうです。

このことがきっかけとなり聖恵授産所は「社会福祉法人聖恵会」となるのです。

聖恵会は今も、キリスト教精神に基づき、障がいのある方々が働く喜びを分かち合うことができる施設としてお働きが続けられています。

事業は拡大し、今は高齢者へのデイサービス事業、ヘルパー派遣事業も担い、現在は「福祉のまち忠海」とも呼ばれるようになりました。

しかし、それは重い障がいを背負うことになった一人の少年の深い嘆きから始まったのです。

今日の御言葉が苦悩の中で一つひとつ実現されていった、そういう歩みだったと思います。

私たちは誰もが弱さを抱えています。

弱いところ、否定したい部分があって当然です。

しかし、その弱さを価値がないと切り捨ててしまうこともできないということです。

そこに無限の価値があるのです。

そこに「自分らしさ」があるのです。

私たちの思いを越えたかたちで用いられるのです。

私たちは自分の弱さを信じて、自分自身を今日も用いていきたいと思います。

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