礼拝の話

2024/04/17 

4月8日(月) 1学期始業礼拝 聖書 マタイによる福音書 22章34~40節 校長 小西二巳

野球には高校生、大学生、プロ野球、独立リーグ、社会人野球があります。

社会人野球には、都市対抗野球という全国大会があります。

都市対抗の大会の特徴の一つに派手な応援があります。

そのことをテーマにしたテレビがありました。

ある強い社会人の野球チームがあって、その応援のために新入社員は応援団に入れられますが、番組でクローズアップされた2人は、そのことを知らずに入社したようです。

練習が始まりますが、2人は戸惑い、声が出ません。

それは今までそのような体験をしたことがないからです。

イヤイヤですからフリも覚えられず、動きも遅れ気味です。

させられる自分に腹が立ち、それをさせる人たちに腹が立ちます。

彼らの不満を応援団のリーダーが聞いてくれました。

そして会社で働く上で、応援団を体験することが、いかに意味があることか、仲間と一緒に活動することが、働く上で自分を支える大きな力になると話してくれます。

でも学校時代に具体的な体験してこなかった彼らには、それが想像できません。

そこでリーダーは彼らを大会の試合を見に東京ドームに連れていきます。

初めて見る野球、選手は真剣にプレーをし、それぞれのチームの応援合戦にびっくりします。

会社の人たちは自分のチームを大きな声を出して応援します。

応援団は先頭に立って大きな声を出し踊ります。

そこには真剣さだけが作り出す何ともいえない盛り上がりがありました。

試合の途中で1人は家に帰っていきます。

こんなことはごめんだと腹を立てて帰ったのかと思いましたら、逆でした。

それまでの自分の関わり方、いい加減さが恥ずかしくなって、近くの公園で自主練習を始めるためです。

今日の聖書の箇所でイエスは神を愛しなさい、隣人を自分のように愛しなさいといわれています。

神を愛し、隣人を自分のように愛するとは、具体的には物事を自分中心に考えるな、生きるな、ということです。

それは自分の考えがすべて正しいわけではなないからです。

イエスは本当に自分を大事にしたいのなら、まずは自分以外の人の言葉や考えをしっかり受けとめなさいと言うのです。

自分がやりたくないことの中に、自分がやるべきことがある、そういう想像力を持ちなさいと言っているのです。

自分とは関係ないと思うこともやる、それを通して、自分を発見できると言うのです。

3週間後、東京ドームで応援する彼ら2人の表情や態度は、番組の初めに見せていたものとは違ってとてもイキイキしていました。

今日から新しい年度が始まります。

あれこれ考えなければならないことがあって、気持ちが重い人いると思います。

進路を早く決めなければならない、新しい人間関係を作らなければならない。

やらないで済ませられるなら、どんなに楽だろう。

でもやりたくないことを通して、自分らしく成長できることを知れば、やってもいいかなという気持ちになります。

そのためには、まずは相手の顔を見て、声を出してあいさつをすることから1日1日を始めることです。

可能性を広げた自分に、イキイキした自分に出会うことを楽しみに、新しい年度新しい学年の1つ1つに取り組んでいきたいものです。

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