礼拝の話

2023/05/16 

5月10日(水) 聖書 マタイによる福音書 6章34節 保健体育科 山﨑

連休中にあるテレビ番組を見ていた時に、奢侈(しゃし)という言葉を知りました。

「おごる」という意味がある漢字2文字を並べたもので、「身分不相応な暮らしをすること、あるいは、度を越えたおごり、ぜいたく」、という意味を持ちます。

番組は、ネパールに住むラウテ族の暮らしを追いかけたドキュメンタリーでした。

ラウテ族は数日間毎に住む場所を移動しながら、森から自分たちが必要な数本の木を伐り出し、その木を使って家具や調理器具を手刀で作っては人里に出向き、お米などの食べ物と物々交換しながら生計を立てている民族です。

その部族の内の1つの集団の暮らしの様子を取材していたのがこの番組で、ここ数年でその暮らしが段々崩れてきていることが報じられていました。

数年前までは、人里に売り歩いていけば、快く買ってくれ、米などの食料を十分にもらえて、良いバランスを保ちながら村の人々とラウテ族の人々が持ちつ持たれつで生活していましたが、最近はラウテ族が売りにくることを快く思わない村人が増えたようだといいます。

また、以前は物々交換が主流であったものが、最近はお金との交換がほとんどになってきているとのことでした。

政府としては少数民族が消えてしまわないように補助金を支給しているものの、それが裏目に出て、逆に昔ながらのラウテ族の暮らしが崩され、命が奪われる方向に行ってしまっているということも言われていました。

日本人の祖先たちも、このラウテ族の人々と同じような暮らしをしていた時期がありますが、定住して里を作り、独自の文化を生み出し、文明が進んで、どんどん暮らしが便利になるにつれて、失われてきたものがあります。

奢侈という言葉をすぐに調べられたように、今ではインターネットが使える便利な世の中ではありますが、その反面、人と人のつながりが希薄になってきていると言われています。

私たちの生活は、1日24時間と決まっています。

学校で生活する平日の7~8時間を除き、残りの時間内でどんな生活をするかは一人ひとりに自由に委ねられています。

便利で、いろんなことが簡単に解決できてしまう今の世の中だからこそ、自分の心に余裕を持ち、自分が良いと思うものを追い求め、お金に価値を決められてしまわない生き方や暮らし方をすることが大切なのではないでしょうか。

それを一人ひとりが実現できていけば、この地球上に暮らす人皆が幸せを感じる、持続可能な社会が実現できるように思います。

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