清和女子中高等学校。創立113年の高知県の私立女子校。キリスト教主義の中高一貫校です。
2023/05/16
連休中、久しぶりに本屋に立ち寄り、一冊の絵本に目が留まりました。
絵本のタイトルは「しあわせ」、わずか20ページの絵本です。
作者はスウェーデンのレイフ・クリスチャンセンという作家です。
この絵本は「しあわせ」の価値観について、「あなたはどう思いますか」と問いかけているように感じます。
「しあわせ」と思う価値観は一人ひとり違います。
違う価値観を持つ私たちですが、作者のクリスチャンセンは価値観の違いを越えて、本当に大切にしたいことは何かを考えていましょう、と私たちに問いかけているように感じます。
同時に、絵本のなかの一つひとつの言葉が聖書の言葉と合わさって聞こえてくるようにも感じます。
作者クリスチャンセンは「自信をもつこと、自分を大切にすること、そして自分とおなじくらいほかの人もたいせつにできること」という文章で、この絵本を締めくくっています。
今日の聖書箇所にも神を愛し、隣人を愛することが大切であると記されていました。
「どの掟が最も重要でしょうか」と問う律法学者に、イエスは神を愛し、自分を愛するように隣人を愛すること、これが全ての掟の基にあると答えます。
律法学者との問答を繰り返す中で、イエスは、法の定めに縛られている学者に対し、神の与えられた掟は私たちを縛り付けるものではない、と言っているように思います。
「しあわせ」の形は様々ですが、周りの人も大切にするということは、自分のことだけを考えるのではなく、誰かのために心を配り、誰かのために働きかけるということではないでしょうか。
私たちはプレゼントを受け取ったり、ご褒美が与えられたり、褒められたりすると幸せを感じますが、より幸福度が高いのは、自分が行った行動で、誰かが喜んでいることを知った時だと言います。
つまり、受けるだけでなく与えた時に、より「しあわせ」を感じることが多いということです。
私たちの「しあわせ」の形は一人ひとり違います。しかし、何らかの「しあわせ」を求めていることには間違いはないでしょう。
今日の絵本と聖書の言葉は、私たちが日々の生活を「しあわせ」に過ごしていくには何を大切にすれば良いのか、そのヒントが記されているように思います。
新しい年度が始まり一か月が過ぎました。
その歩みのなかで、聖書の言葉に耳を傾け、本当に大切なことは何かを考えながら歩んでいきたいと思います。