清和女子中高等学校。創立113年の高知県の私立女子校。キリスト教主義の中高一貫校です。
2022/05/16
睡眠の大切さは、誰もがよく知っていることです。
よく眠れることは、一日の生活をよりよいものにしてくれます。
一方で、「さまざまことが頭に浮かび、とにかく眠れなかった」という人もいるかもしれません。
「人間は生きている限り、迷うものだ」という言葉が身に染みてきます。
どのような原因があるにせよ、眠れないのはとてもつらいことです。
眠れないなら、有意義に過ごせることを考えたくもなります。
スイスの哲学者カール・ヒルティは、自分のことに関わらない、いい言葉や思想に触れることを勧めています。
ヒルティの『眠られぬ夜のために』は、この目的のために書かれています。
日ごとに区分されて、読みやすくはなっていますが、自分自身が思う「いい言葉に出会う」のは、なかなか大変です。
「いい言葉に出会えない」というのであれば、このような方法はどうでしょうか。
適当な本を手に取って、なんとなくページを開いてみるのです。
たまたま開いたページに見えた言葉に、慰められることがあるはずです。
心の中に溜まりに溜まった思いと、目の前にある言葉が思いがけない化学反応を起こして、思いの全てを消し去っていくように感じるかもしれません。
そうすることで、また安心して眠ることができるようになるでしょう。
このような本との対話は、ある種の「セルフ・カウンセリング」といえます。
自分自身の悩みや思いを、本に向かって、吐き出してみます。
すると、たまたま開いたページであるにもかかわらず、今の自分の悩みを解決してくれる言葉に巡りあうのです。
それは「目には見えないけれども確実に存在している何か」の力による、と考えるしかないものです。
「いい言葉」というのは、必ずしも本の中にあるものでなくてもかまいません。
人の話す言葉でもいいのです。
今日一日、何気ない一言に気を留め、耳を傾けてみましょう。
そして気になった言葉を、自分のために使ってみるのです。
書いた人、話した人の意図は、この時ばかりは、横に置いておきましょう。
一瞬だけでも幸せな思いができたのですから。