礼拝の話

2020/05/19 

5月19日(火)聖書 フィリピの信徒への手紙 3章13~14節 社会科 山脇

「名探偵」と言えば、誰をイメージするでしょうか。

コナン、金田一少年、シャーロックホームズ、ポワロ、明智小五郎、金田一耕助など、多くの作家が小説の中で名探偵を生み出してきました。

休業期間中、昔の映画、横溝正史原作の金田一耕助シリーズを観ました。

このシリーズを見ていて毎回思うことは、金田一耕助は「名探偵」として様々な事件の依頼を受け、その現場に赴くのですが、残念ながら事件を防ぐことができないということです。

いくつかの作品を見た結果、家族で出た結論は「金田一は事件をとめられない」ということでした。

もちろん、推理小説ですから、事件が起こらないと話が進みません。

次々と起こる事件に翻弄される金田一ですが、最後はしっかり真犯人をつきとめるのですから、やはり「名探偵」なのです。

金田一が町を去る時、必ず探偵依頼をした人がお礼を渡そうとしますが、「必要経費だけでかまいません。お礼は受け取れません。結果的に多くの人が事件の被害にあってしまったのだから、お礼はいただけません。」と金田一はいうのです。

事件の関係者が最後の見送りをしたいと集まった時も、こっそりその場を離れて、皆が気づかないうちに金田一は町を去っていきます。

「堂々と」「颯爽と」皆に見送られて去っていくわけではありません。

誰にも見送られず、むしろ、見送られるのを拒むように、一人で静かに町を去っていくのです。

石坂浩二さんの演じる金田一は、真剣に悩み、事件と人に向き合い、真犯人をつきとめますが、同時に、自分が出来なかったことにも目を向けているように思うのです。

しかし、後悔ばかりしているかというとそうではなく、なぜ事件が起きてしまったのかを振り返り、その経験を糧として、新たな事件へと向かっていくのです。

誰にも見送られることのないその後ろ姿は、寂しいものではなく、成功も失敗も、全てのことを受けとめて、新たな事件へと旅立っていく姿に見えるのです。

今日の聖書箇所には、「後ろのものを忘れ、前のものに全身を向けつつ」「目標を目指してひたすら走ること」とありました。

「後ろのものを忘れ」とは、「過去を完全に忘れて」ととらえることもできますが、私は、過去の経験や出来事に捕らわれすぎず、その経験を糧にして、ひたむきに前に向かって歩んで行きましょう、と教えてくれているように感じます。

今までになかったことを経験した2カ月を経て、1学期の歩みがようやくスタートした現在、この2カ月の経験は、私たちに多くのことを教えてくれたように思います。

当たり前と思っていたことがいかに貴重だったのかを、私たちに教えてくれたように思うのです。

その経験を糧にして歩んで行きたいと思います。

日々の歩みの中で、何が出来るのかを考え、行動していくことで、この一年の歩みが全く違ったものになるのではないかと楽しみにしたいと思います。

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