清和女子中高等学校。創立113年の高知県の私立女子校。キリスト教主義の中高一貫校です。
2020/05/28
小説と聞くと長いものを想像しますが、英単語でたった6語のものがあります。
For sale: baby shoes, never worn.(日本語訳 売ります:赤ちゃん用の靴、未使用。)
『老人と海』などで有名なアーネスト・ヘミングウェイが作った小説です。
この小説からどのような印象を受けるでしょうか。
このたった6語からでも、いろいろな解釈が引き出せます。
なぜ違った解釈が生まれるのでしょうか。
それは言葉の意味には幅があるからです。
この幅の中で、それぞれの人が言葉の意味をとらえています。
もし言葉の意味に幅がなかったら、もし人それぞれに言葉の意味のとらえ方のずれがなかったら、小説は、作者の言いたいことという、正解を求めるだけのものになってしまいます。
小説は話の流れを間違って受けとめなければ、さまざまな読み方があっていいのです。
向き合うものが、小説ではなくて、人であったらどうでしょうか。
ある人についての見方は、人それぞれのものがあるはずです。
「自分の見方が正しい」と主張することが間違っているとは言いません。
「私はこう思う」ということがなければ、ただ他人の考えに流されるだけです。
しかし「自分の見方だけが正しい」と主張することも認められないはずです。
さまざまな見方を受け入れて、自分の見方との違いを知ることも必要です。
今日の聖書箇所で、パウロは「違いを受け入れることの大切さ」を説いています。
人それぞれの違った見方を受け入れていくことは、心を豊かにしてくれます。
さまざまな解釈を「そのまま」の形で受け入れられる気持ちを持って、今日この一日を過ごしていきましょう。