礼拝の話

2023/06/14 

6月12日(月) 学校記念日礼拝 聖書 マタイによる福音書 5章8~9節 校長 小西二巳夫

チャペルの入り口を出てすぐ右の壁にユネスコスクールのプレートと創立者アニー・ダウドさんのレリーフがあります。

ユネスコスクールは世界の平和を実現するためには、国を超えた連携を学校レベルで行うために、具体的な取り組みをする学校をユネスコスクールに指定して支援するプログラムです。

ユネスコが行っている活動には、おもしろいプログラムがいくつもあります。

その一つに世界遺産という取り組みがあります。

世界遺産には大きく分けて2つ、自然遺産と文化遺産があります。

文化遺産の中には歴史的な過ちなどを忘れないためのものがあります。

ポーランドのアウシュビッツ収容所、ここはナチスドイツが多くのユダヤ人を虐殺した場です。

広島の原爆ドームは核兵器の使用がいかに愚かで罪深いことなのか、それを教えてくれる場所です。

そこでアウシュビッツ収容所や広島の原爆ドームを負の世界遺産と呼んでいます。

ユネスコスクールの指定を受けて、ユネスコが掲げる平和を、「心の清い人々は幸いである。平和を実現する人々は幸いである」という聖書の言葉を建学の精神にしている清和にも、守っていきたい、残していきたいものがあります。

それは清和遺産と呼べるものです。

清和は1901年、今から122年前に、アメリカからアニー・ダウドという宣教師が高知にやってきて、二人の少女に出会い、彼女たちが学べる場所として創られました。

学びたいという気持ちは、人が生きていくために大切です。

学ぶことが楽しい面白いということを知っているかどうかで、その人の人生は違うものになります。

学ぶ楽しさ面白さというと、すぐに勉強ができるとか、成績がよい、頭がいい、ということと結びつけて考えますが、それは関係ありません。

勉強ができても、成績がよくても、つまらない、おもしろくない、という気持ちの人はたくさんいますが、それはあまり幸せなことではありません。

もったいないのです。

それでは人生そのものが楽しくないものになってしまいます。

そこで清和は、自分から学びたくなるような教育を目指してずっとやってきたのです。

清和にはいくつもの奨学金制度があります。

これは清和で学びたいけれど、お金のことがあるから無理と諦めている人を少しでも助けたいと考えているからです。

ダウドさんがそれを何より願っていて、清和の出発点だからです。

奨学金になるお金の多くは、清和の教育を支えたい、助けたいと考えてくださっている教会の人や清和の教育に賛同してくれる人たちの献金です。

清和はユネスコスクールであり、ユネスコの目的は平和な世界を実現することにあります。

そして清和の建学の精神も、聖書の言葉のように、平和を実現する人になること、そうした人を育てることにあります。

その清和で私たちは今毎日学校生活を過ごし学び、働いています。

清和に入学したその瞬間から、清和で働くことになったその瞬間から、その人には与えられた使命があります。

清和で学び働く一人ひとりが果たすべき使命、それは学ぶことの楽しさ喜びを知った人になる、学びの楽しさを伝える人になることです。

自分だけでなく、他の人もそうなるように考えて行動することです。

学びたい人が学べる、そういう世の中にしていくことを、イエスは平和を実現すると表現されたのです。

ダウドさんはそれを高知の女性のために学校を創ることで実現されようとしたのです。

その学校で、気持ちも新たに、私たちが一日一日を自分らしく学び自分らしく働くことが、イエスとイエスに従ったダウドさんの願いを実現することになるのです。

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