礼拝の話

2023/06/16 

6月14日(水) 聖書 ルカによる福音書 19章5~6節 日本キリスト教団 高知東教会 益 敏牧師

今日の聖書に出てきたザアカイという人は、徴税人でした。

ザアカイは「徴税人の頭」、つまり徴税人の中でも一番偉い人、責任者でした。

お金持ちでしたが、周りの人からは「罪深い男だ」と言われていました。

なぜならば、税金を自分の国の仲間から取り立て、敵の国の手先のような仕事をし、税金をごまかして、自分の懐に入れていました。

ザアカイは税金をごまかしてたくさん集めては自分の懐に入れることが得意な徴税人だったので、お金持ちになりましたが、そのことで誰からも嫌われていました。

ある日ザアカイは、イエスさまと弟子たち一行が、ザアカイの住む町にやって来るといううわさを耳にしました。

「いったいどんな男なのか見てみたい」と思ったザアカイは、イエスさまを見るために木に登りました。

ザアカイは背が低かったので、大勢の人が人垣を作っているところでは、イエスさまを見ることが出来なかったからです。

ところがイエスさまはザアカイが登っている木の近くに来ると、まっすぐにザアカイが登っている木の方に向かって来て、木の下から声を掛けました。

「ザアカイ、急いで降りて来なさい、今日はぜひあなたの家に泊まりたい。」。

ザアカイは、どんなに驚いたことでしょう。

罪深い男だと言われ、みんなから嫌われ、家に遊びに来る人など誰もいないザアカイでした。

初めて会ったイエスさまなのに、知らないはずの自分の名前を呼んでくださり「あなたの家に泊まりたい」と言ってくださいました。

この日、ザアカイの心は変わり、回心しました。

心を改める改心ではありません。

心がくるっと回る、回る心の回心です。

心が、今まで向いていた方向と逆向きに180度回りました。

それまでは、ザアカイはお金が欲しかったのです。

背が低かったザアカイは、いつもみんなから見下げられているように感じていました。

だから、誰よりもお金持ちになりたかったのです。

お金持ちになって、みんなを見下せるようになりたいと思っていました。

でも、それは間違いでした。

ザアカイは、たくさんお金を持ってみんなを見下せるようになっても、心は寂しいままでした。

ザアカイは、イエスさまに名を呼ばれ、家に泊りたいと言われた時、どんなに嬉しかったことでしょう。

喜んで、転げるように木から降りて来て言いました。

「わたしは財産の半分を貧しい人々に施します。だまし取っていたお金は4倍にして返します。」。

ザアカイは、イエスさまから、名を呼ばれ、愛をいただきました。

愛をいただいたザアカイは、握りしめていたお金を手放します。

ザアカイは、お金を持つ喜びではなく、愛される喜びを知りました。

そして、人を愛する人に変えられていました。

ここにいる私たちも、イエスさまに名を呼ばれている一人です。

愛されて、愛する者として生きるように、喜びに生きなさいと招かれています。

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