清和女子中高等学校。創立113年の高知県の私立女子校。キリスト教主義の中高一貫校です。
2021/06/29
今週末、学校に「被爆ピアノ」が来ることになりました。
これは、1945年8月6日に広島、8月9日に長崎に落とされた原子爆弾によって実際に被爆したピアノです。
今回、「被爆ピアノ」が来るということで、考えたことがあります。
それは、このピアノの意味、このピアノを取り巻く人々の思いです。
私たちはこのことから何を考えるべきなのでしょうか。
端的にいってしまえば、それは「今を生きる」ということなのではないでしょうか。
過去に学び、今を生き、そして未来を作る、このことが私たち、今を生かされている者に託されている思いのように思います。
その中で、いつも考える中心に置くことは「今を生きる」ことなのだと思います。
この今の現実が、どんなにつらくても、今を生かされていることにかわりはありません。
そして、この今を生きることで、未来が拓かれることを私たちは知っています。
今回の「被爆ピアノ」との出会いは、ピアノを通して、当時を思い、当時の現実を知り、二度とそのような悲劇を生まないために、私たちにできることは何かを考えることが必要なのではないでしょうか。
戦争はいけません。
平和は大切です。
命は守られなければなりません。
このような言葉を私たちはずっと聞いています。
頭ではみんなわかっていることです。
しかし、ではなぜ、世界から戦争がなくならないのでしょうか。
なぜ、大切にされなければならない命が失われる現実があるのでしょうか。
今、この時も私たちの命は感染症の問題にもさらされています。
私たちはすでに、望むと望まざるとに関わらずに、この新型コロナウイルス感染症の問題の只中で生きなければならないのです。
この環境の中で「今を生きる」ことが求められています。
そして、その中で自分勝手にいきるのではなく、「共に生きる」「生かされていることを知る」ことが求められているのだと思います。
今回大切にしてもらいたいことは、本当だったら、聴くことができなかったこの音を聴くことができるということは、どういうことなのかと考える、ということです。
今日という1日があり、そして明日があります。
今を生きることを大切に、今日1日も歩みたいと思います。