礼拝の話

2021/07/06 

7月2日(金) 聖書 ミカ書 4章1~3節 校長 小西二巳夫

こうの史代さんの漫画に「この世界の片隅に」「夕凪の街、桜の国」というものがあります。

両方とも映画になっています。

いずれも静かな雰囲気の作品ですが、内に秘めた戦争や原爆への怒りや憤りが伝わってきます。

こうのさんは広島生まれの方で、広島を舞台にした漫画を描いてほしいと依頼を受けた時すぐに快諾しましたが、出版社の依頼は「広島」ではなく「ヒロシマ」を描くことでした。

こうのさんは描くと返事をしたことを後悔しました。

「ひろしま」を漢字で書くか、カタカナで書くか、そこには大きな違いがあります。

カタカナの「ヒロシマ」を描くとは、原爆が落とされた街のこと、そして被ばく者となった人のことを描いてほしいということでした。

戦後生まれで、両親も被ばくをしていない自分が広島生まれというだけで、「ヒロシマ」や被ばく者のことを描く資格があるだろうかと考えたのです。

軽々しく書けないし、言葉にできないと思ったのです。

しかし、広島生まれの自分も原爆に無関係に生きることはできないと考え、作品を作られました。

清和は聖書を中心にして平和について考えることを大切にしてきました。

柱となっているのが、小人数教育、個人の尊重、国際的視野に立つ教育です。

国際的視野に立つとは、自分の内側に大きな世界を描ける人になることです。

きちんとした世界観を持った人になることです。

行ったことがあるなしに関係なく、その国や地域の人とも出会うことが出来る、そういう想像力をもった人になることです。

そのための手段として私たちは英語を学んでいます。

それは、人とつながり、無関係な生き方をしないためです。

この無関係に生きることができないことが、国際的視野に立つということです。

核と被ばくの問題は、より深刻な問題になっています。

戦争によって、放射能汚染によって、事故処理のために被ばくし続けている現実があります。

そういう人たちの痛みや悲しみが身近にあることを、自分とは無関係ではなく、深く関係している、との感性や想像力を持つことが、国際的視野を持つ人になることです。

「平和を実現する人々は幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる」とのイエスの求めに少しでも応えられる自分になりたいと心から願います。

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