清和女子中高等学校。創立113年の高知県の私立女子校。キリスト教主義の中高一貫校です。
2021/09/10
今年の夏は、1年遅れのオリンピック・パラリンピック、大雨災害、コロナウイルスのニュースが毎日流されましたが、その他のいくつかのニュースに目を留めました。
その1つは、金属に関するニュースで、オリンピックのメダルと蛇口の盗難についてでした。
今回のオリンピックはSDGs(持続可能な開発目標)を目指して、様々な取り組みが行われていました。
その中の1つとして今回のオリンピック・パラリンピックのメダルは、使えなくなった携帯電話やパソコン、デジタルカメラなどを「みんなのメダルプロジェクト」と題して回収し、分解・選別処理をして、金・銀・銅を抽出し作るということがありました。
その一方で、公園などの公共場所や個人の住宅の外に設置されていた水道の蛇口が、日本各地で破壊されて盗まれるというニュースがありました。
蛇口は、金属の銅と亜鉛からできているものが多いそうで、世界的に、今、金属の価格が高騰しているので、それを盗んで売る、ということが横行しているようです。
メダルのニュースと蛇口盗難のニュース、どちらも貴重な限りある金属をどう考えるかで、一方は素晴らしい出来事、もう一方は悪い出来事になってしまっています。
SDGsの目標達成まで残り9年です。
コロナ禍の中、生き抜いていくことが、本当に大変な現状です。
しかし、自分に与えられた能力、与えられた役目、与えられた人とのつながりを駆使して、皆でこの局難を乗り越えていった先に、本当の意味でのSDGsの達成があるのではないかと思います。
そして、先ほど挙げたこの夏の出来事を通し、人間というのは、まさに紙一重で良くも悪くもなってしまう弱い存在だなと、つくづく感じました。
本日の聖書箇所は、自分が置かれた立場、状況などによって、人はどんな行動をとってしまうか、どう自分の能力を使うのかということがたとえ話で書かれています。
今、学校全体として取り組んでいる体育大会でのそれぞれの役割、各クラスでの係分担、それぞれが個別に取り組まなければならない課題などに対して、それぞれの今できる最大限で臨むことができれば、5タラントン、2タラントンをもらった僕のように多くの喜びが得られる未来を引き寄せることができるのではないかと思います。
最後に、パラリンピックの創始者であるルートヴィッヒ・グッドマン博士の言葉を紹介します。
『失ったものを数えるな。残されたものを最大限に生かせ。』