礼拝の話

2023/10/11 

10月2日(月) 聖書 マタイによる福音書 25章37~40節 校長 小西二巳夫

日本のプロ野球が2つのリーグに分かれたのは今から74年前です。

そのことで、いつの頃からか関西地域に住む人が密かに楽しみにしてきたことがあります。

それはセリーグの阪神タイガースとパリーグの阪急ブレーブス(現オリックスバッファローズ)が日本シリーズで対戦することです。

プロ野球は12球団ありますが、今シーズン2つのチームが74年目にして初めてそれぞれのリーグで優勝したので、日本シリーズで対戦する可能性が高いのです。

優勝すると「優勝セール」というものが行われるので、話題にもなります。

これはデパートにとって明るい話題ですが、大阪や東京の中心にある店舗は別にして、地方都市や郊外にあるデパートには暗い話題が多いのです。

かつて地方都市のデパートはその町の憧れ、シンボル、ワクワクする場所でした。

ところが売り上げが年々落ち込み閉店するデパートが次々に出てきています。

ある研修会で、本州の学校の校長先生が自分の学校の取り組みを発表される中で「私立学校は今のままでは地方のデパートと同じようにどんどん無くなる。変わらなければつぶれてしまう」というお話をされました。

地方都市のデパートが今の時代に合わないダメな存在であると言われているようで、それが納得できなくて違和感を持ちました。

今日の聖書箇所でイエスは「相手に対する心のこもった気遣い」や「困っている人への深い思いやりを持つ」こと、そうした生き方をすることの大切さを話されました。

「相手に対する心のこもった気遣い」や「困っている人への深い思いやりを持つ」ことを英語にするとホスピタリティという言葉になります。

イエスは今日の言葉でホスピタリティを持った人になることを求めたのです。

一人ひとりが生きていてよかったと幸せを感じるためには、ホスピタリティが必要であると言われたのです。

先ほど紹介をした校長先生の話に私が違和感を持ったのはホスピタリティが感じられなかったからです。

学校がそれを失ってはダメだと思ったからです。

学校が競争に勝つことを第一に考えるとしたら、それは飢えている人が、のどが渇いている人が、泊まるところがない人が、裸の人が、病気の人が、いればいるほど競争する相手が少なくなる、勝てる相手が多くなるという自分にとって好都合と考える人を育てることになります。

それではイエスが求めた誰もが幸せに生きる社会にはなれません。

先週のことですが、清和を62年前に卒業された、今も親友同士だというお二人が学校を尋ねて下さいました。

80歳になるお2人の雰囲気は「凛とした女性」がピッタリでした。

凛とした女性というのは、品性があり、思慮深く、行動力があり、優しさと強さを併せ持つということです。

私はお二人のこれまでの生き方をお聞きする中で、まさにホスピタリティにあふれた人生を過ごされていると感じました。

それを申し上げると、それは礼拝から始まり、自分をそのまま受けとめてもらえる清和の3年間で自然と身につけたのだと思います、と言われました。

その一言に、清和の中学の3年間が、高校の3年間が、一人ひとりにとって、ホスピタリティに触れる、そしてホスピタリティを持った人になるための大切な時間であることをあらためて教えられたのです。

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