礼拝の話

2023/10/11 

10月3日(火) 聖書 イザヤ書 2章4節 社会科 山脇

今日10月3日は何の日か調べてみると、アンパンマンの日ということが分かりました。

1988年の10月3日からテレビアニメの放送が開始されたことから、この日をアンパンマンの日にしたそうです。

また、アンパンマンの絵本が出版されたのは今から50年前の10月ということもあり、現在、高知新聞では「アンパンマン誕生50年」という特集を組んで、アンパンマンにまつわる話が掲載されています。

アンパンマンの作者は高知県出身やなせたかしさんですが、2013年に亡くなりました。

やなせさんは生前のインタビューで、「幼児の作品というとグレードをうんと下げようとしますが、それは違うんです。非常に不思議なことに幼児はお話しの本当の部分がなぜか分かってしまうんです。」と答えています。

アンパンマンのどこが好きかを子どもにインタビューすると「アンパンマンの優しいところが好きなんだ」と多くの子どもが答えていました。

子どもたちにはアンパンマンの優しさがきちんと伝わっていたのです。

また、その番組でやなせさんは、アンパンマンはウルトラマンやスーパーマンのような、格好いいヒーローではありません、と答えています。

強くて格好いいヒーローではなく、むしろ弱いヒーローです、というのです。

やなせさんは、アンパンマンというキャラクターを作り出す前に、よくある正義のヒーローは本当に正義なのか、という疑問も持たれていたそうです。

相手をとことん叩きのめして、町や自然を破壊して、それで勝つのが本当に正義の味方なのか、という疑問です。

やなせさんは、正義の味方なら「まず飢えている人を助けるべきでは」と考えていました。

それを体現したのがアンパンマンです。

アンパンマンが生まれた背景には、やなせさん自身の戦争体験が大きいといわれます。

正義とは何か、本当に大切なことは何か、やなせさんは自らの戦争体験からそのことを常に考えていたのだと思います。

テレビアニメ、アンパンマンのテーマソングの歌詞を見ると、自らの戦争体験と、弟さんを戦争で失った悲しみと悔しさ、それでも生きることの素晴らしさや大切さを伝えようとするやなせさんの気持ちが表れているのではないかと感じます。

アンパンマンに寄せたやなせさんの平和を思う気持ち、本当に大切にしたいことがこの歌詞とアンパンマンというキャラクターに表れているように思います。

今日の聖書箇所には、預言者イザヤが神から授かった言葉が記されています。

この聖書の言葉は国際連合ビルに刻まれている言葉でもあります。

第二次世界大戦後、国際連合が発足した際、この聖書の言葉を礎石に刻んだのは、二度と戦争を繰り返さないという強い思いと、私たちが命を奪う者から命を守る者へと変えられるように神に願う、その思いの表れだと思います。

神から与えられる恵みによって、私たちが奪う者ではなく、ともに生きる者、平和を築く者へと変えられることを約束するこの神の言葉は、アンパンマンというキャラクターにも通じるように感じます。

私たちの心に働きかけ、私たちを生きる者、平和を築く者へと変えようとしてくださる神の恵みを信じて歩みたいと思います。

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