礼拝の話

2023/10/11 

10月4日(水) 聖書 ヨハネの黙示録 21章1~4節 日本キリスト教団 高知教会 松浦子基牧師

大学生の時、夏休みを利用して自転車旅行をしました。

寮があった千葉県から、実家のある愛知県まで、約400kmの道のりを3泊4日かけて移動しました。

今のようにスマートフォンが普及していませんでしたので、自分の現在地や、目的地までの道を、毎回地図を広げて確認していました。

休憩のために立ち止まったいくつかの町で、歴史的な建物を見ることがありました。

静岡県の新居という場所で、当時の関所として使われていた建物を見学しました。

関所の門には高札があり、そこには江戸幕府によって禁止されている事柄がいくつか書かれています。

その中にはキリスト教を禁止している高札があり、「キリスト教徒を見つけ関所に報告した者には、銀500枚の報酬を与える」と書かれていました。

今日の聖書個所であるヨハネの黙示録が書かれた1世紀末の時代もまた、キリスト教がローマ帝国から激しい迫害を受けていました。

当時の人々はローマ帝国の皇帝を神として礼拝しなさいという命令に従わなければいけませんでしたが、キリスト教を信じる人々は、皇帝を神として礼拝することを拒否しました。

その命令に背いたという事で、ローマ帝国はキリスト教を信じる人たちに危害を加え始め、捕まえられて牢屋に入れられ、時には殺されてしまいました。

このようにイエス・キリストを救い主と信じる人たちの迫害が始まったのです。

ヨハネの黙示録という書物はそういう状況の中で、キリスト教を信じている人々を励ますために書かれました。

キリスト教を信じるという事において、苦しまなければいけなかった人々は「彼らの目の涙をぬぐい取ってくださる」という言葉に慰められ、希望を持ってキリスト教を信じ続けることができました。

後のローマ帝国において、キリスト教は公認宗教として認められることになります。

つまりこの時キリスト教が迫害されていた厳しい時代を耐えて、生き抜いた人々の思いが、礎となったということです。

1955年12月にアメリカのモンゴメリーで、ローザ・パークス逮捕事件が起こりました。

この事件は、黒人であるローザ・パークスがバス内で白人に席を譲らなかったために逮捕されたもので、マーティン・ルーサー・キング牧師はこの事件に激しく抗議して、モンゴメリー・バス・ボイコット事件運動を計画し、運動の先頭に立ちました。

この運動は382日間に及んで続けられ、黒人の方たちは自家用車などでネットワークを組んで抵抗を続けました。

この運動の結果、翌年11月に連邦最高裁判所から、バス車内人種分離法違憲判決(法律上における人種差別容認に対する違憲判決)を勝ち取り、抗議運動は成功を収めたのです。

この運動から公民権運動はアメリカ全土に広がっていきます。

彼らがバスボイコット運動を続けることができたのは、その自分たちを神が様々な形で自分たちに寄り添い支えてくれることを実感できたからです。

悲しむ私たちに寄り添う神さまという存在によって、私たちは勇気を持って行動することが出来る。社会の不条理に立ち向かう力が与えられるのです。

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