学校生活

2023/11/01 

10月23日(月) 特別修養会 秋のチャペルデイ

今年の特別修養会は「かかわらなければ」と題して、沢知恵さんに講演していただきました。

ご家族、ご自身のこれまでの歩みをご紹介いただき、多くの関わりの中で感じてこられたこと、考えてこられたことを1つ1つていねいにお話くださいました。

特に、1996年に廃止された「らい予防法(1931年)」によって、ハンセン病患者の方々が、家族、地域、そのすべてから隔離されることになった人生を聞き、今を生かされていること、人が人として生きるために知っておかなければならないことを考える時間になりました。

生後6ヵ月でご両親に連れられて大島青松園を訪ねた時、すでにハンセン病(かつて「らい病」)は感染力の極めて弱い病原菌による感染症であることがわかっていたにも関わらず、長年隔離の生活を余儀なくされていた園の方々は、赤ちゃんである沢さんをその手に抱くことが不安でできなかったといいます。

家族、地域、すべての関係性から排除され、名前も変えさせられ、ハンセン病療養所の中でしか生きることがゆるされずに来た方々がいること、一人の人間としての尊厳をもって生きることは誰にでも与えられている権利にも関わらず、その権利がないものとされなければならなかった事実があることをわたしたちは知りました。

名前を「塔 和子」と変えた一人の女性が多くの詩を書かれました。

その1つ1つの詩は、わたしたち一人ひとりが抱く感情をそのまま語ってくれているようです。

関わることでの幸せや関わったことによる痛み。

人生は選択の連続であり、その積み重ねでわたしたちは生きているということ。

現実にあったことがなかったことにならないために考え続け、関わり続けることが求められていること。

これらのことを沢さんの穏やかな語り口からお聞きしました。

今を生きる一人ひとりとして、その熱い思いをしっかりと受けとめ、これからの学校生活も送っていきたいと思います。

《講師沢知恵さんのプロフィール》

1971年生まれ。日本、韓国、アメリカで育ち、3歳よりピアノを弾く。
1991年、東京藝術大学在学中に歌手デビュー。

最新アルバム『花はどこへ行った』を含む29枚のアルバムを発表。
第40回日本レコード大賞アジア音楽賞受賞。東京で季節公演を行う他、ハンセン病療養所、災害被災地、少年院などでも活動している。
2021年、岡山大学大学院修了。

おもなテレビ出演に「徹子の部屋」「題名のない音楽会」「ハートネットTV」など。
おもな著書に『うたに刻まれたハンセン病隔離の歴史-園歌はうたう-』『ありのままの私を愛して~母から子への26の手紙』など。

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