礼拝の話

2022/11/28 

11月22日(火) 聖書 ヤコブの手紙 5章7~8節 音楽科 三浦

「アイヌ神謡集」というものがあります。

この「アイヌ神謡集」は1923年に発刊され、来年で出版されてから100年になります。

今回私が手にした「アイヌ神謡集」は、英語などの外国語の本を読むように横書きで書かれ、左のページにはアイヌ語が、右のページには日本語での物語が書かれています。

はっきりとした発音はわからないものの、なんとなく、そのアルファベットで書かれたものを読んでいくと、不思議なリズムが感じられます。

アイヌの人々は、自然と一緒にその歩みを進めてきました。

この13の神謡には、「フクロウ」「狐」「ウサギ」「カエル」「沼貝」などいろいろな生き物が出てきます。

動物と人とのやりとりだったり、ヒーローのような英雄とのやり取りだったり、偉い神だったり、いろいろなのですが、おもしろいのは、神だから絶対に間違わない、ということはないという書かれ方をしていることです。

神とされているものであっても、人に悪いことをしたら報いを受ける、というのです。

この話の展開は、今までの私の経験ではあまりなかったものでした。

一方からの話ではなく、お互いに必要としてあるのだから、互いに尊重し合いなさい、ということなのでしょう。

ここに、アイヌが自然と共に生き、人と共に生き、ということがしっかりと現れているのだと思います。

今朝の聖書の箇所には「農夫は、秋の雨と春の雨が降るまで忍耐しながら、大地の尊い実りを待つのです」とあります。

自然は、私たちの自由にはなりませんが、それでも農家のみなさんは1つ1つていねいに、作っている作物に向き合い、その時できる最善策で作物が実るように努力するでしょう。

同じように、私たち一人ひとりも、私たち自身を育てる責任があるのだと思います。

一人の人間が成長するためには、いろいろなものが必要です。

幼いころからここまで育つための環境、育つ中でいろいろなことを考えられるようになる知恵、自分だけではなく相手のこと、お互いのことをしっかりと思う力、そして、自らの足で立って社会に出ていく知識、経験、能力。

その1つ1つに必要なのは、自分自身が成長する、自分自身を成長させるという思いと責任です。

今日の聖書の箇所では、その実りを手にするには忍耐が必要だとあります。

忍耐は成長するための大切な要素だということです。

一呼吸おいて物事を観察する目、深呼吸して深く物事に向き合う目、じっと目を閉じて、自分自身を見つめる目、そのような目をこれからも育てていきたいと思います。

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