礼拝の話

2022/02/24 

2月21日(月)聖書 ガラテヤの信徒への手紙 5章7~9節 音楽科 三浦

先日いろいろなことに思いめぐらしていた時のことです。

アメリカで史上2人目の女性の最高裁判事になったルース・ベイダー・ギンズバーグ、という方の記事を思い出しました。

感染症問題が継続している中で、ロシアのウクライナへの動きを世界中が心配しています。

世界中がこのことに固唾をのんで見守っている、どうにか戦争にならないように回避するための方法を模索している、という中にあって、彼女なら何をどのように発信するだろうかと考えました。

世界中が、ロシアとウクライナの状況から戦争がいつ起きてもおかしくないと考えているということなのですが、そのことを私たちはどのように考える必要があるでしょうか。

日本は1945年の敗戦をもって、新しい憲法のもとに生活をはじめました。

この憲法は、世界でもまれに見る、平和を求める憲法です。

武力を持たず、他国を武力によってどうにかしようとすることは二度としないと誓っているものです。

憲法は、権力者を好き勝手にさせないために作られています。

私たち一般の市民が平和に、きちんとその人生を歩めるように作られたものです。

このギンズバーグという方は、すべてにおいて憲法が優先される、ということを貫いた方でした。

高校1年生は今、音楽の授業で近現代の音楽について学んでいます。

20世紀を中心としたものですが、20世紀は戦争の世紀でした。

世界中で戦争、革命と呼ばれるものが起こり、第一次世界大戦、第二次世界大戦の悲劇が起こりました。

でも、これはある日パッと起こったわけではありません。

一人ひとりがふつうに生活している中に、戦争に向かう空気が流れ、その流れを止めることができず、そのまま突き進んでいった末路が悲劇的な戦争でした。

今、世界はまた大きな戦争前のような不穏な空気に覆われてきているように思います。

平和というものは、一人ひとりが大切に作り上げる意識がないとすぐに壊れてしまうガラス細工のようなものなのだと思います。

壊れたガラス細工をきれいに元に戻すことは、ふつうはできません。

そうであるならば、壊さないようにていねいに扱う必要があります。

その一歩は、私とあなた、私とその人、という1対1の関係からでしょう。

朝のおはよう、いただきます、行ってきます、ありがとう、ごめんなさい、そして、本当にあなたを大切に思っているということを伝えるいろいろな言葉。

その1つ1日の学校生活の中でもお互いに使うことができれば、私たちには戦争を止める力があるのだと思います。

国と国との関係も、人間関係も、壊すのは一瞬です。

でも、それをつなぎ直すには多くの労力が必要です。

ギンズバーグさんは、「自分が大切にしているもののために闘いなさい。でも、他の人があなたのそれに賛同するような闘い方をするのです」といいます。

自分が正しい、ということではなく、一緒にそれを作り上げるためにできる言葉、できる方法を、ということなのだと思います。

戦争に限らず、いつも最初の犠牲になるのは弱い立場の者たちです。

こども、女性、老人、でもその一人ひとりにも、大切にされる権利、平等に与えられている権利があります。

私たちの毎日の生活で憲法や権利について読んだり、聞いたりすることは多くはないですが、いろいろな種類の本を読むことで、いろいろな意見や考え方を知ることができます。

この1間も、一人ひとりが平和を守るために何ができるか、一番身近な自分をまずは見つめながら1日1日の学校生活を歩みたいと思います。

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