清和女子中高等学校。創立113年の高知県の私立女子校。キリスト教主義の中高一貫校です。
2024/03/25
NHKの番組に「鶴瓶の家族に乾杯」があります。
落語家でタレントの笑福亭鶴瓶がゲストの希望する場所に一緒に出かけて行き、出会いを楽しむぶっつけ本番の番組です。
先週の番組では宮崎県のえびの高原という町を訪ねていました。
たまたま出会った人から紹介されて出向いた温泉のホテルでのことです。
鶴瓶さんが周りの人との会話の中で、高校の修学旅行でえびの高原に来たことがあると言い、えびの高原にはご当地ソングで「思い出のスカイライン」という歌があるが、歌えるかとホテルの女将さんやその家族に尋ねます。
ところがそこにいる人たちは知りませんでした。
すると鶴瓶さんは「昔、この曲を教えてくれた友だちのバスガイドさんに歌ってもらうから」とスマホで電話番号を検索し始めます。
周りの人は「えっ」といった同じようなリアクションをします。
高校の修学旅行は72歳の鶴瓶さんの年齢から逆算すると55年近く前のことです。
55年間もの長い間、修学旅行で出会っただけのバスガイドさんと何かの形で関係がつながっていることはまずないはずだと考えます。
「そんなら、友だちに電話で聞いて見るわ」と気軽に電話をするなどという関係はまずあり得ませんが、それが目の前で起こったので、そこにいた人たちはびっくりしたのです。
それに対して、鶴瓶さんはそのようなことは自分にとってごく当たり前と答えました。
今誰かに連絡を取りたい、と思ったらスマホを使えば一瞬でできますが、当時、遠く離れた相手とのやりとりは手紙やはがきになります。
そう考えると、鶴瓶さんは手紙を書くなどの、相手とのつながりを持つために時間を使っていたことが想像できますが、1通の手紙を書くのには時間とエネルギーが必要です。
そうすると誰かを大切にするというのは、そして愛するというのは、その人のために自分の時間をたくさん使うことだということになります。
鶴瓶さんはそれができる人、それをいとわない人だということです。
先週の「鶴瓶の家族に乾杯」を見て、鶴瓶さんがいかにつながりを大切にする人であるのか、その凄さがわかると同時に、つながりをいい加減にしてきがちであった自分の愚かさを教えられました。
同時にもう一つ、つながる、つながり、ということで気づかされたことがあります。
それは生まれてすぐに教会で出会ってから70年以上、私とのつながりを持ち続け、困った時に、苦しくなった時に、悲しくなった時に、必要な言葉をかけてくれる、必要な人を送ってくれるイエスです。
私を友と呼んでくれるイエスが私につながり続けてくれた、それによって私は生きることに失望せず希望を持ち続けることができてきたのです。
そしてイエスはこの場所にいる一人ひとりにも等しくつながってくれているのです。それをエネルギーにして一日一日を過ごしていきたいと思います。(