礼拝の話

2022/02/04 

2月4日(金)聖書 マルコによる福音書 10章43~44節 日本基督教団 土佐教会 高橋伸明伝道師

今の世の中は自由競争が当たり前、自由競争で当たり前と思っている人が多いように思います。

そのため、「競争、競争、競争の世の中だ」と私たちは急き立てられますが、それが本当に良い世の中なのか、少し考え直してみてもいいんじゃないかなと思うことがあります。

ひょっとしたら、私たちは競争を強制されることで、失っている自由もあるんじゃないかと思うのです。

本当に自分らしく生きる自由というものを。

自由競争というのは、一部の人の自由だけであって、多くの人の自由を奪ってしまうものなのです。

今朝、お読みいただいた聖書の箇所には、「あなたがたの間で偉くなりたい者は、人に仕える者になりなさい」と書いてありました。

一見矛盾したことを言っているように聞こえます。

この世で成功したい人は、この世で損をするような役割を引き受けなさい、と言っているようです。

でも、こういうのを逆説というのですが、一見逆に見えることが、正しかったりするのです。

自由競争というのは、結局、自分は得をするように努める自由のことです。

でも、みんなが自分の自由を最優先にすると、お互いに他人の自由を奪い合うことになり、結局は弱肉強食の不公平がはびこります。

それはとても生きるのがつらい、苦しい世の中です。

そういう世の中をやはり、変えたいのです。

むしろ、他の人にもチャンスをあげるような世界に変えていった方が良いのではないでしょうか。

みんなが他人の自由やチャンスを大切にするようになれば、お互いがもっと安心できて、敵が無くなって、生きやすい世の中にしてゆくことができるのではないでしょうか。

それを実現するためには、特別なことは必要ありません。

まずは自分の身近な人間関係の中で、自分がしゃべるよりは人の話に耳を傾けたり、自分の意見だけではなく人の意見を活かしてあげたり、人の権利を守ってあげたり、人にチャンスを譲ってあげたりということから始めれば良いと思います。

自由を手に入れようとするだけでなく、お互いに自由を与え合うことによって、この世を生きやすいところにしてゆきましょう、一緒に。

学校生活の様子

学校生活|中学校一覧へ

学校生活|高校一覧へ

学校生活一覧へ

礼拝の話一覧へ

中学・高校 学年の通信から一覧へ

クラブ活動一覧へ

▲ページトップへ