礼拝の話

2022/03/07 

3月4日(金)聖書 ルカによる福音書 18章18~25節 日本基督教団 土佐教会 高橋伸明伝道師

私の好きな諺に「情けは人の為ならず」があります。

「人に対してしたことは、最終的には自分に返って来るのだから、他人にも親切にしなければならない」という意味です。

フランス語に「ノブレス・オブリージュ」という言葉があります。

このフランス語を日本語に直訳すると、高貴さは義務を強制する、という意味だそうです。日本語には古い言葉ですが「位高ければ徳高きを要す」というものがあります。

つまり、お金持ち・有名人・権力者は、社会のお手本になるように振る舞う責任があるということです。

それも、他人から言われてしぶしぶではなく、自分から進んでやってくださいね、という一つの道徳観です。

「努力すればお金持ちになれる」と言われます。

「お金持ちになるのは、本人の努力の結果だから当然だ」と言われることもあります。

そうであるならば、皆さんには、是非この社会に出た時には成功して、お金持ちになっていただきたいと思います。

そして、お金持ちになったら、困っている人たちのために是非、たくさん寄付をして欲しいと思います。

お金持ちになっても寄付をしない、というのは、非常に恥ずかしいことです。

世の中には病人・怪我人・お金がなくて困っている人・お年寄りがたくさんいます。

そういう人を助けようとしないお金持ちは、繰り返し言いますが、非常に恥ずかしいことなのです。

皆さんには是非この世の中で成功して、自分のようには恵まれなかったさまざまな社会の中の弱者と呼ばれる人びとを助ける役割を担って欲しいと思います。

加えて、子どももこの世の中では弱い存在です。

教育のために寄付をすることも大切だということをここで付け加えたいと思います。

今朝読んでいただいた聖書の箇所では「天に富を積む」という言葉が出て来ました。

これに対して、他の聖書の箇所では、「地上に富を積んではならない」という言葉も出て来ます。

「地上に富を積む」というのは、稼いだお金を自分のためだけに使うということで、世の中からは軽蔑の対象になります。

これに対して、「天に富を積む」というのは、稼いだお金を他の人たちの幸福のために使うということです。

これは、世の中で、尊敬と感謝と賞賛を受けるような行為です。

ここにいる皆さんの中で、この社会で成功する人が出て来るとは思いますが、この世において、成功した者、勝者となった者は、失敗した人、勝負に負けた人にも、人間としての尊厳を大事にし、勝負がついたら健闘を称え合って、手を差し伸べる。

そんな「ノブレス・オブリージュ」という価値観を持つ、カッコいい大人になっていただきたいと思います。

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