礼拝の話

2023/04/14 

4月12日(水) 聖書 マタイによる福音書 6章5~9節 校長 小西二巳夫

今日は「祈る」ということと、祈りには力があることを考えます。

お祈りというと、宗教を信じている人たちがするものだと思っている人がいます。

そして、祈りは弱い人がするものであって、強い人はしないと考えている人がいます。

祈りを研究している脳科学者に中野信子という人がいます。

中野さんによると、祈るというのは科学的なことだそうです。

祈ることによって、その人の脳の中に変化が起きて、生き方や考え方が変わる可能性があるとのことです。

いい祈りをすればいい方向に、悪い祈りをすれば悪い方向に変わると言うことです。

と言うことは、祈りにはいい祈りと悪い祈りがあるわけです。

それが科学的に証明されています。

嫌いな人や気に入らない人に悪いことが起こるように祈ったとします。

すると、その祈りによって祈った人の脳に強いストレスがかかり、そのストレスが、脳を収縮させ、脳が収縮すると記憶力や集中力が低下してしまうとのことです。

逆にいい祈りをすると、脳の中に「ベータエンドルフィン」や「オキシトシン」と呼ばれる物質がたくさん分泌されます。

「ベータエンドルフィン」は記憶力を高め、集中力を増す物質、オキシトシンは別名「愛情ホルモン」と呼ばれている物質です。

オキシトシンにも記憶力を高める作用があります。

そこで気がつくのは、勉強や学習に必要な記憶力や集中力を高めたかったら、自分の脳の中にベータエンドルフィンとオキシトシンを分泌させればいいと言うことです。

その方法の一つが祈ると言うことです。

こうした祈りについてよくわかっていたのが、今日の聖書に出てくるイエスです。

先ほど読んでもらった聖書には、どのような祈りをすればいいかが書かれています。

9節の「だから、こう祈りなさい」という言葉の後から、お祈りが書かれています。

これは「主の祈り」という、今も世界中で祈られているお祈りです。

主の祈りの特徴は「私たち」とあるように、自分のためだけではなく、自分以外の人たちのためにも祈っていることです。

困ったことや悲しいことが起きてどうしようもなくなった時に、昔も今も多くの人が「主の祈り」を祈るのです。

主の祈りを覚えておくと、それが自分を助けてくれる、守ってくれる力になるわけです。

祈ることが毎日の生活にとって大切なことだということがわかります。

そして、私たちには、祈ることが権利として与えられているのです。

権利は使ってこそ意味があります。

そこで、祈るという権利を使って私たちが今やらなければならないことがあります。

その一つがウクライナの人たちのために祈ること、ロシアが戦争を一刻も早くやめるよう祈ることです。

祈りには力があると言いました。

ある人に「ロシアが戦争を止め、ウクライナに平和が戻るように世界中の人が祈っているはずなのに、なぜ戦争は終わらないのか。祈りには本当に力があるのか」と質問されました。

同じような疑問を持っている人はたくさんいると思います。

そこで考えたいのは、ロシアのウクライナの攻撃について祈っているのは、戦争が早く終わってほしいと願う人だけではないことです。

プーチン大統領も祈っているのです。

プーチン大統領は真逆の祈り、戦争に勝てるよう必死に祈っているのです。

プーチン大統領の祈りがどのような祈りかというと、それは間違いなく悪い祈りです。

悪い祈りによって分泌されるのは、ベータエンドルフィンやオキシトシンと違って、強い毒性を持ったノルアドレナリンです。

プーチン大統領がウクライナとの戦争を止めないのは、強い毒性を持ったノンアドレナリンが脳内に出ていることにも原因があると考えられます。

そのプーチン大統領に対抗して戦争を止めさせるには、戦争が終わりますように、平和になりますようにと、時々祈るような祈りではダメだと言うことです。

私たちが、そして世界中の人が、今やらなければならないことは、祈りを集めることです。

一人ひとりの祈りを集めることによって、そこに力が生まれます。

その力が空気を変え戦争をするエネルギーを奪うことになるのです。

それが祈る権利を与えられている私たちが、今できることをやらなければならないことです。

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