礼拝の話

2021/04/27 

4月27日(火) 聖書 コリントの信徒への手紙 12章14~18節 社会科 山脇

学校を取り囲む木々の緑も本当に鮮やかで、風も心地よく、気持ちの良い季節となりました。

朝、学校の前の田んぼには、沢山のハトが群がっています。

田んぼが耕されたことで、土の中にいた虫が地表に掘り出されたのでしょう。

ハトはその虫や草などを必死についばんでいます。

先週、何気なくその様子を見ていた時、一羽のカラスがハトの群れの中に餌を食べにやってきました。

カラスが降りてくると、それまで目もくれずに土の中の餌をついばんでいたハトが一斉に飛び立ちました。

ハトの群れは突然のカラスの登場に危機を感じたのでしょう。

黒という色を見た時、皆さんはどのような印象を受けるでしょうか。

黒い礼服やスーツには固いイメージや正式な場での服装という印象を私は持ちます。

黒という色は、基本的にはどの色にも染まりません。

裁判官が黒い法衣、ガウンを着るのは、誰の意見にも染まらない、周りの意見に左右されず、憲法と法律に基づき判決を下すという裁判官の独立をあらわしています。

落ち着いた印象や真面目な印象を与える黒は、同時に強さや怖さ、さらには何となく不吉な印象を与える色でもあります。

黒以外の色、例えば赤・青・黄色は混ぜ合わせると、様々な色に変化しますが、これらの色を黒に混ぜても、黒はどの色にも染まりません。

どの色にも染まらないところが、強いという印象を黒にもたせているのかもしれませんし、同時にこれらの色を全て飲み込んでしまうかのような印象が、黒いものへの恐ろしさにもつながっているのかもしれません。

何にも染まらない黒ですが、明らかにその黒という色を薄め、違う色に変えられる色があります。

それは白です。

白は赤にも青にも黄色にも混ざり、それぞれの色の濃さを調整してくれますが、それは黒においても同じです。

黒に一滴、白を落とすと、その中ではっきりと存在を際立たせます。

他の色のように、黒に飲み込まれず、しっかりとその存在を証明するのです。

明るい所や日の当たる場所では、白は決して目立つ色ではありませんが、濃い色の中でその存在感を発揮し、白との比較で暗い色をも際立たせます。

そう考えると、黒と同様、白もとても強い色であることが分かります。

あれこれ考えていると、「そうか、白は黒があるからこそ最もその存在を発揮できるのか、黒も白があるからこそ、その存在が際立つのか」ということに、今更ながら気づきました。

自分と違う色があるからこそ、それぞれの存在がはっきりとし、それらが混ざり合って、新しい色が生まれていくのです。

今日の聖書箇所は、体を例えにして、私たちが日常生活を送る中で、互いの違いを認め合いながら、互いに支え合っているということを教えてくれています。

つくづく、神の創ったこの世界はうまくできているのだと思います。

この世界には絶妙なバランスで、様々な色、形が存在して、それぞれがお互いに共鳴しあっているからです。

最初に話したハトの群れは、カラスを見て一斉に飛び立ちましたが、しばらくするとカラスから少し離れたところに降り立ち、再びエサをついばみ始めました。

カラスが近づくと、また少し羽ばたいて距離を取り、そのようにして上手く共存しているのです。

私たちは日々の生活の中で、多くの人と出会い、関わり、様々なことを経験していきます。

その中で、時には衝突することがあっても、一人一人の持つ色や形をお互いに認めつつ、足りない所を補い合って、新しい色を作り出して行くことができればと思います。

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