礼拝の話

2022/07/04 

6月23日(木) 聖書 イザヤ書 2章4~5節 日本キリスト改革派 山田教会 高内信嗣牧師

今日、6月23日は沖縄県にとって特別な日です。第二次世界大戦末期、沖縄での戦闘が約3ヵ月続きました。一般市民からも約94000人という多くの犠牲者がでました。

6月23日はその戦闘が終わった日と言われています。沖縄県ではこの日を記念日として、多くの人々が沖縄戦を覚えながら、世界の平和を願っています。6月12日の山田教会の礼拝の中で、教会員の方が沖縄について祈りをささげていました。

私は沖縄に行ったことがないので、あまり沖縄のことについて真剣に考えたことがありませんでした。祈りを聞きながらハッとさせられました。この国に起きた悲惨な現実に目を向けて、私自身も神さまに向かって、平和のために祈らなければならないと思いました。

THE BOOMというロックバンドの「島唄」という楽曲があります。作詞・作曲をしたボーカルの宮沢和史さんのインタビューが先日ネットに公開されていました。

宮沢さんは山梨県出身です。この楽曲は、宮沢さんが沖縄のひめゆり平和祈念資料館で学徒隊の戦争体験者からお話を聞いたことが始まりでした。そこで、あまりにも自分が無知であることに叩きのめされたそうです。そのことによって「島唄」という楽曲が生まれたのです。

「島唄」は表側だけを見るならば、男女の切ない歌詞となっていますが、歌詞の裏側に沖縄戦の悲劇が込められています。歌詞をいくつか紹介します。

「でいごの花が咲き、風を呼び、嵐が来た」(でいごの花が咲く春、沖縄戦が始まった。)

「ささやかな幸せは うたかたぬ波の花」(平和の時代のささやかな幸せは泡のように消えてしまった。)

「海よ、宇宙よ、神よ、命よ」

これは平和を祈り願う声でしょうか。

「神」、「命」という言葉が出てきます。

今もこの世の中の悲惨な出来事によって、多くの「命」が失われています。その中で「神」は何を望んでおられるのでしょうか。今日読んでくださった聖書の御言葉は、神が望む平和の世界が描かれています。紀元前8世紀、アッシリアという大きな国に脅かされていた人々に語られた言葉です。争いというリアリティーの中でこの御言葉が語られています。

ここに記されている世界は、今の現実とはかけ離れている世界です。しかし、これこそが神の望んでおられる世界です。神は戦いによって尊い「命」が失われることを望んではおられません。私たちの「命」は神に造られた大切な命だからです。そしてそのような驚くべき平和の世界がやがて訪れると聖書は私たちに伝えているのです。

今、私たちができることはこの神が望んでおられる世界を、私たちがしっかりと見つめることです。「島唄」を作った宮沢さんのように私自身も、沖縄に対して無知であったことに打ちのめされ、恥ずかしくなります。ですが、この日本で起こった悲惨さを重く受け止め、このチャペルで神を見上げることが、神の望む世界を建て上げる一歩だと信じたいです。

この時間、一緒に、神の望む世界を見つめて、祈りながら、一日を始めていきたいと思います。

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