礼拝の話

2022/07/13 

7月11日(月) 聖書 マルコによる福音書 5章33~34節

6月に「メタモルフォーゼの縁側」というタイトルの映画が上映されました。原作は同じタイトルの漫画で、雪さんとうらら、年の差57歳の友だちの話です。

祖母と孫のような年齢差の2人が友だちになったのは1冊の漫画がきっかけでした。うららは何事にも結果を気にして一歩が踏み出せない臆病な自分が嫌でした。けれど、その臆病な自分を何とか変えたいとも願っていました。

そのうららの前に現れたのが雪さんでした。好きな漫画についてとことん語り合える雪さんが57歳という年齢差を超えて、かけがえのない友だちになります。

そんなある日、うららは雪さんから「漫画が好きでたくさん読んでいるあなたなら、いい漫画が作れるはず、思い切って書いてみたら」と言われ、心の奥底では書きたいと思っていながらも、自分にできるはずがないと封じ込めていた気持ちが、雪さんの一言によって、「できる、できない」ではなく、「するかしないか」を優先する考え方に変わっていきます。

うららは信頼する人の言葉に押し出されるように変化していったのです。映画のタイトルのメタモルフォーゼは「変化、変身」という意味のドイツ語です。大げさでなく、うららは雪さんの言葉に人生を救われたのです。

今日の聖書箇所には長い間病気が治らない女性が出てきます。女性は何とか病気を治したいとあちこちの医者に診てもらい、全財産を使い果たすほどあれこれやってみましたが一向によくなりません。その女性の前に、病気を治してくれると評判のイエスがやってくることがわかりました。イエスは大勢の人たちに取り囲まれていたので、それまでのその女性なら、そこであきらめてじっと見ていただけでしょう。

けれど、何としてでもメタモルフォーゼしたい、自分を変えたいと願った彼女は思い切った行動に出ます。イエスに治してもらおうと大勢の人を押しのけながら前に出て行ったのです。イエスの後ろに近づいた女性はイエスの服を引っ張ります。引っ張られたことに気づいたイエスは誰がしたのかと弟子たちに聞きました。

弟子たちはイエスが服を引っ張られたことに腹を立てたと思ったようです。女性も自分が悪いことをしてしまったと思い、自分がしましたと申し出ました。その女性に対してイエスが言ったのが34節の言葉です。

「娘よ、あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい。もうその病気にかからず、元気に暮らしなさい。」

イエスのこの言葉によって、女性は自分の体調が悪いのはなぜか、なぜよくならないのか、自分の病気は何なのかを気づかされました。

「もうその病気にかからず」と言うイエスの言葉から女性がいわゆる臆病という病気、自分を自分でダメだと決めつける状態になっていたのです。それをイエスの言葉がメタモルフォーゼ、変化させてくれたのです。

うららは雪さんと出会い、雪さんの言葉に押されて、自分に自信がないためになるべく目立たないように過ごすことから、自分がやりたいことにまっすぐ向かうことのできる自分になりました。

うららは言葉によってメタモルフォーゼできる、救われることがわかったのです。イエスは女性にあなたの信仰があなたを救ったと言いました。

信仰というのは、言葉の力を信じることです。聖書には、今の自分に必要な、今の自分を何とか支えてくれる、今の自分を変えてくれるイエスの言葉で溢れています。イエスの言葉に支えられながら、新しく始まった1週間を過ごしていきたいものです。

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