礼拝の話

2023/09/21 

9月14日(木) 聖書 ルカによる福音書 9章46~48節 国語科 高橋

バービー人形は1959年に誕生した世界で最も有名な着せ替え人形です。

65年前の当時、赤ちゃん人形や幼児体形ばかりの人形業界は、このセクシーなバービーの出現にぎょっとしたといいます。

人形に限らず、メディアが私たちに与える影響は大きく、テレビなどでスリムな女性を見ると、あこがれの声とため息が聞こえてくることもしばしばです。

絵本の登場人物の顔をゆがませた2009年の研究では、「ゆがみを加えた画像を見た後、子どもたちが認識する美しさは、そのゆがみに合わせて変形した」という結果が出たそうです。

これは、「盛る」ことが一般的になった今、全く関係のない話ではないと感じました。

冗談のようですが、最近の若者間での誉め言葉は「プリクラが歩いてる」だそうです。

その意味は、今の最先端のプリクラで盛ったような容姿、つまり、目がぱっちりして、お肌は毛穴や質感がわからないプラスチックのようなつやつやで、人間離れしたビジュアル、ということです。

バービー人形の誕生から65年、今ではさまざまな肌の色や髪型、体の特徴を持った人形が販売されています。

バービー人形のパッケージには「あなたはなにものにもなれる」と書いてあります。

実写版映画のバービーは、初め「劣化」が進んだとき、自慢のハイヒールも履けなくなり、肌にしわのようなものができ始めたとき、その変化を嘆きますが、最後にはすべてが「完璧」な人形の世界ではなく、悩みの多い人間の世界で生きていくことを選びます。

バービーの生みの親、ハンドラーは1970年代に会社の取締役を退いた後、自然な外見と触感をもった人口乳房の開発に携わるというビジネスで成功を収めました。

自身も乳がん患者だったハンドラーは「バービーを思いついたとき、私は小さな女の子が乳房のある人形で遊ぶのは、自己評価を高めるうえで重要だと考えた。いま私は、自分の乳房を失った女性たちの自己評価を高めるほうがもっと大事だと思っている」と語りました。

ハンドラーは、乳がんになり、自分の体に今まであったものを失った時、それはそれで自分であると受け止め、生きるエネルギーへと変えました。

変わっていく自分を受け入れることは簡単ではありませんが、変わっていく自分を受け入れることは、他の人をどんなふうに見るかということにつながると思います。

人形の世界でも、ブロンドの髪に白い肌、スレンダーな体形という美の象徴や価値観が、確実に変わってきています。

今の自分を受け入れることが、それぞれ違いを持っていることを受け入れること、多様性につながるのではないでしょうか。

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