礼拝の話

2023/10/06 

9月26日(火) 聖書 コリントの信徒への手紙Ⅱ 8章14節 社会科 山脇

現在、ラグビーとバレーのワールドカップが開催されており、中国でのアジア大会も始まり、スポーツの秋にふさわしく、毎日熱戦が繰り広げられていますが、個人的にはこれから始まるプロ野球のクライマックスシリーズ、その後の日本シリーズがとても楽しみです。

今年、プロ野球のセントラルリーグでは阪神タイガースがリーグ優勝を果たしました。

18年ぶりに優勝を飾った今年の阪神タイガースは、過去に優勝した時とは一味違うように感じました。

過去に優勝した時の阪神タイガースには、必ず「これ」といった選手がいました。

ホームランを連発し三冠王を獲得したバッター、もの凄い抑えのピッチャー、そういった選手が必ずいましたが、今年の阪神タイガースはそのような選手は見当たりません。

阪神タイガースにはそのような「これ」といった成績をあげた選手がいないにも関わらず、圧倒的な強さでリーグ優勝を決めました。

そこには何があるのだろうと、色々調べてみると、選手全員がチームプレーに徹したことが分かる数字がありました。

それはチーム防御率と、フォアボールをとった数です。

勝利数が飛びぬけたピッチャーはいませんが、10勝前後のピッチャーが5人います。

中継ぎ、抑えといった役割のピッチャーも、軒並み防御率が2点台です。

誰か一人のピッチャーが飛びぬけているのではなく、先発、中継ぎ、抑えのピッチャーが、それぞれがそれぞれの持ち場で自分の役割をしっかり果たした、それが今年の阪神タイガースといえます。

バッターでも、3割に届かない選手が多いのですが、それをカバーしているのがフォアボールを選んだ数です。

現在、阪神タイガースがフォアボールを選んだ数は470個を超えます。

ヒットを打てなくてもフォアボールを選べば1塁に出塁できます。

そこから、盗塁、送りバント、ヒットエンドランなど、様々な作戦を駆使して得点を重ねていったのが、今年の阪神タイガースの特徴です。

次のバッターに託す、繋ぐという意識がこの数字につながったのだと思います。

優勝が決まった試合、優勝監督インタビューで岡田監督は、今年のピッチャー陣について問われました。

その時、岡田監督は「みんながすごいんですよ」と応えました。

「誰かがすごい」ではなく「みんながすごい」といった、この岡田監督の言葉が全てを表しているように思いました。

誰か一人ではなく、足りない所を誰かが補い、チームとして成長していった。

岡田監督のインタビューからも、今年の阪神タイガースにはそんな印象を強く持ちました。

さて、今日の聖書箇所には、あなたがたのゆとりが彼らの欠乏を補えば、いつか彼らのゆとりがあなたがたの欠乏を補うことになる、とありました。

私たちはそれぞれに得意、不得意なことはあります。

得意なことは誰にいわれなくても進んで取り組むことができますが、不得意なことにはなかなか手が付けられないということはないでしょうか。

私自身、そのようなことは日常的にあります。

気持ちに余裕のない時にはなおさら、苦手なこと、不得意なことには手が付けられません。

でもそのような自分の苦手、不得意な部分を、それが得意な誰かが補ってくれていることも事実です。

その時には気づかなくても、後になって誰かが支えてくれたことに気づくこともあります。

そのようにして私たちはこの社会で、学校で、生活を送っているのだと思います。

奪い合えば足らなくなりますが、補い合えば不足することはありません。

神さまから与えられている恵みを、自分のためだけに使うのではなく、互いに補い合えば神の恵みはあなたがたに十分である、と聖書は教えてくれています。

私たちは自分が気づいていなくても、誰かに補ってもらいながら日々の生活を送っています。

それは同時に、自分が気づかないうちに、誰かを補っているともいえます。

今日も私たちの歩みのうえに、神さまからの恵みが十分与えられていること、その恵を自分のため、誰かのために用いながら、歩んでいきたいと思います。

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