清和女子中高等学校。創立113年の高知県の私立女子校。キリスト教主義の中高一貫校です。
2023/09/08
今年の夏は全国的に記録的な暑さが続き、各地で連日猛暑日となりました。
その暑い最中に行われた夏の甲子園は何かと話題になりました。
今年105回の記念大会となった全国高等学校野球選手権大会、通称夏の甲子園は、神奈川県代表の慶應義塾高校が107年ぶりに優勝を飾りました。
髪形や大きな声援に大きな注目が集まった慶應義塾高校の優勝ですが、個人的に興味を持ったのが慶応義塾高校の掲げる「エンジョイ=ベースボール」という言葉です。
単純に訳すと「野球を楽しむ」「楽しんで野球をする」ということでしょうが、慶應義塾高校の「エンジョイ」には「楽しむ」だけでなく、「自分で考える」という意味も含まれています。
優勝監督のインタビューで、「うちが優勝することで高校野球の多様性を示せれば」と慶應義塾高校の監督さんが言っていたことからも、慶應義塾高校がそれまでの形にこだわらず、自ら考えることを大切にしてきたことが分かります。
自分で考えるというのは簡単なように思えて、実は簡単なことではありません。
なぜなら、そこには一人ひとりの意識が必要になるからです。
とある高校野球の名門校で監督をされていた方のインタビューがありました。
その方は高校野球の監督をしていた時は、勝つためには「考えさせないこと」が一番早かった、とコメントしています。
現在、小中学生を相手に指導されているその方は、高校野球の監督時代とは違って、しっかり自分で考えることが大事、とインタビューで答えていました。
監督が力を持つ野球ではなく、自分で考えるからこそ野球は楽しい、とその方は言います。
自分で考えて工夫し、自分のプレーを見つめなおし、良かった所はどこか、変えないといけない所はどこかを自分で検証していくことは時間が必要ですし、結果もすぐには出ないことが多いでしょう。
失敗と成功を繰り返しながら、自分で考えて練習し、試合に臨み、考えながらプレーすることが一人ひとりの成長につながると、その方は小中学生を指導する中で確信を持っているのだと思います。
慶応義塾高校が掲げた「エンジョイ」も、ただ自由に楽しむ、苦しいことをしないということではなく、自分で考えて練習に励み、そのことから得られた経験を活かしていくといった、野球に取り組む姿勢や心構え、そのことで得られる野球の奥深さや楽しさを表しているのだと思います。
今日の聖書箇所には「知る力と見抜く力とを身に着けて、あなたがたの愛がますます豊かになり、本当に重要なことを見分けられるように。」とあります。
この言葉には、何が本当に重要なことなのかを考えることで、神から与えられた愛がますます豊かになるということを記しています。
聖書を通して大切なことを知ること、重要なことを見抜くこと、それを一人ひとりが行動としてあらわしていくことが、神の栄光をあらわすことにつながっていく、と聖書は言います。
本格的に2学期の授業も始まりました。
その中で、何を大切にして学校生活を歩んでいくのかを、私たち一人ひとりがしっかり考えていきたいと思います。
その歩みのうえに神さまの恵みと導きがあることを心に留めたいと思います。