礼拝の話

2020/10/19 

10月19日(月)聖書 コリントの信徒への手紙Ⅰ 13章8~13節 校長 小西二巳夫

「ショーシャンクの空に」というアメリカ映画があります。

ショーシャンク刑務所に無実の罪で入れられた男が19年後に脱獄するまでを描いています。

エリートで若くして銀行の経営者になったアンディーは、ある日、殺人の容疑で捕まります。

無実の訴えも通らず、終身刑を言い渡され、刑務所に入れられます。

刑務所の最初の食事の時に、他の囚人から投獄された理由を聞かれ、自分が無実であることを訴えます。

すると囚人の一人がニヤッとして「ここにいる人間はすべて無実の罪で入っているんだ」といいました。

これを聞いたアンディーは、ただ愚痴をいって後悔するだけではダメだと理解し、今の自分に何ができるかを考え始めます。

そこで、知り合った調達屋にロックハンマーと聖書を頼みます。

ある日、看守たちが相続税の話をしているところにアンディーは居合わせ、税金を安くする方法を教え、その他の税務申告も手伝うようになります。

税金を安くできるアンディーは刑務所になくてはならない人間になっていきます。

税務申告をする見返りとして、囚人たちの生活改善、待遇改善を要求します。

たとえば図書館を充実させること、高校の通信教育を受けられるようにすること。

アンディーの力を知った所長は彼に二重帳簿を作らせ、どんどん隠し財産を増やしていきます。

この所長はとても厳しい人で、聖書の言葉を引用しながら囚人を厳しく罰していました。

19年目の朝のことです。

アンディーは突然独房から消えました。

脱獄不可能と言われたショーシャンク刑務所から逃げたのです。

19年間、アンディーは毎晩みんなが寝静まってからロックハンマーで少しずつ穴を掘り、掘って出た土は毎日の散歩のときに、ズボンの裾から庭に捨てていたのです。

いつ終わるともわからない、いつ見つかるかもしれない作業を、孤独とむなしさに負けることなくアンディーはやり遂げました。

脱獄したアンディーから所長の不正の証拠となる二重帳簿が新聞社に送られてきます。

それを知った所長は慌てて隠し金庫を開けました。

そこにはアンディーの聖書が入っていて、メモには次のように書いてありました。

「あなたは正しい、救いは確かにこの中にある」。

所長が何のことかと思い聖書を開くと、そこにはロックハンマーが入っていました。

アンディーは聖書の中にロックハンマーを隠していたのです。

聖書の言葉を使って囚人を痛めつけた所長へのしっぺ返しの言葉でしたが、それだけではないのです。

アンディーは19年間、ロックハンマーを取り出すために聖書を開き、聖書の言葉に出会ったはずです。

毎晩、聖書の言葉に触れることによって、絶望と孤独から逃れることができたのです。

何より19年間、ロックハンマーが見つからなかったのは聖書のおかげです。

看守の誰もが聖書が何か知っています。

定期的な持ち物検査の時にも、わざわざ聖書を調べようとはしませんでした。

逆に聖書を持つアンディーを信仰深い人間と思い込んだのです。

また、毎晩トンネルを掘っていたのですから、周りの囚人が気付かないはずがありません。

彼らは知っていたけれど、見てみぬふりをしてくれたと考えられます。

それもまた聖書の持っている力と言えます。

このように考えると「救いはこの中にある」という聖書によって、人はどんなときにも希望を失うことなく生き抜くことができることが分かってきます。

「ショーシャンクの空に」はどのような形をとるのかは、時と場所によって違うけれど、そしてその人にどのような形で働くかはわからないけれど、聖書の中に救いと希望が必ずあることを証言しているのです。

聖書の中には、私に向けての救いと希望があることを心に刻みながら新しい1週間を過ごしていきましょう。

学校生活の様子

学校生活|中学校一覧へ

学校生活|高校一覧へ

学校生活一覧へ

礼拝の話一覧へ

中学・高校 学年の通信から一覧へ

クラブ活動一覧へ

▲ページトップへ